●2001年度私立中学受験を終えて

■『首都圏/中学受験ニュース』2001年2月10日配信号収録=第3回=■
 
 毎年のことだが、ことしもまたさまざまなドラマが生まれた。

 2月1日、2日に合格を勝ち取っている子は、勢いづいて予想以上の結果を出してくれた。模試の結果では、合格判定の確率が30%未満だった子も大きな 成果を残してくれた。ある意味では「奇跡の合格」といってもいいような嬉 しい報告もあった。また、残念ながら思ったような結果を出せず、苦しむ子 もいた。これは励ますこちらも辛い。特に4日、5日まで合格が出ないと励 ます言葉も底をついてくる。それでも、最後の最後につかんだ「合格」の重 みは、はかることのできないほどの重みだろう。

 親は偏差値や学校の知名度、他人への体面で受験校を決めている部分もあ るだろうから、「この学校の合格だったら嬉しいのに」と感じるのかもしれ ない。しかし、子どもは単純に「合格」という結果を早く手にしたいと願っ ている。素直に、とても大きな喜びとして感じとる。

 今年の実例をふたつほど紹介したい。

 ◆男子校合格のAクンの場合

 1日はチャレンジ校を受験したがチャレンジ校だけに結果は×。でも本人は、たいしたショックも見せず2日の実力相応校へ賭けたのだが、本人の予想に 反してここも不合格。2日の夜はあまりの悔しさに泣くわ、暴れるわ、おま けに吐くわ、で大パニック。しばらくほうっておいて安静にさせてから、彼 は大変身。明日は必ず合格するぞと意気込みも新たにその夜、試験でできな かった国語を猛特訓。そして3日には見事合格。母親いわく「あの日の彼は 今までとはまるで違い、わが子ではないのでは?と思うほどでした」

 ◆男子校・共学校、計3校合格のBクンの場合

「僕は1日が第一志望です。」と言っていたので「よし、今の実力では少々 厳しいけど、合格できるようがんばろう。」ということで勉強し、見事合格。 そして男子校・共学校あわせて3校に合格した。
 1日に合格した第一志望の共学校の入学手続は4日まで。母親はその学校 の手続をするつもりだったが、いつものようにけんかしながら3日の学校の 合格発表を見に行くと、もうひとつ予定外の合格をゲット! すると「僕、 こっちの学校へ行きたい。」と突然の爆弾宣言。あわてた母親から「どうし ましょうか?」との電話が。そこで「まずは今日の手続が締め切られるほう の学校へとにかくお二人で向かって、学校の近くのファミレスででもどこで もいいですから、落ち着いて話せる場所で、じっくりと話し合ってみたらど うでしょう?」と伝えた。その後「最後に合格した共学校に決めました。」 と連絡が入った。うーん、いったいどこが第一志望だったの???

 子どもにとって、勉強した結果としての合格を手にすることは何よりも嬉 しいこと。苦労して勉強してきたのに、合格が一つもない子の姿を見るのは 辛い。

 もちろん入りたい学校、入れたい学校はさまざまでも、「ダメなら公 立よ」ではなく、「ここは確実に合格できるのよ。この学校で合格を確保し て、チャレンジしようね。合格が一つでもあれば、たとえ公立に行ってもがんばれるよね。」という学校選びをしてほしいと願っている。

 学校選びのポイントは、親の見栄と偏差値はひとまず横に置いて、自分の足で探すこと。中学入試へ臨むスタンスは、それがいちばんだと思う。