●受験当日、子どもには「大丈夫、大丈夫」と安心感を

■『首都圏/中学受験ニュース』2001年1月10日配信号収録=第2回=■
 
 東京・神奈川ではそろそろ願書の出願の時期。1月入試のある地域ではす でに願書は出願済みのはずだが、都内の私立中学の数が圧倒的に多いため、 多くのご家庭がこれから出願を控えていることと思う。

 昨年の出願時の話。6年生のお母さんから塾に一本の電話がかかってきた。

 「出願を予定していなかったけれど急遽出願することになったんです。いま学校の近くにいるんですが、願書に貼る写真がなくて困っています。先生、 近くに写真屋さんを御存知ありませんか?」と大パニックといった感じの話 しぶり。結局写真屋は、見当たらず、学校に相談して、翌朝スピード写真を 持っていくことになった。

 こんな事態が頻繁に起こるというわけではないが、写真は少々余裕を持っ て用意しておいた方がいい。出願する学校の分はもちろんだが、予定外の出 願の分も想定して用意しておきたい。もし残ったら、我が子の成長の軌跡と して記念にアルバムにでも貼っておけばよいのだから。

 また、願書は学校ごとにきちんと整理しておくことも必要。出願日にその 学校の願書を持って出たはずなのに、いざ窓口で出してみたら、違う学校だ ったなんてことのないようにご注意を。あと、願書のコピーをとっておくの も面接対策のための大切な準備。

 つい先日も、6年生の進路相談でこんな話を聞いた。

 ある日曜日に公開模試を受験しに子どもと出かけたお母さんが、家から15 分ぐらい歩いた最寄駅に着いて、さあ切符を買おうとバッグの中を探したが、 財布が見つからない。銀行のキャッシュカードも財布に一緒に入っているの で、銀行で下ろすわけにもいかず、いっそ交番にでもよって借りようかとも 考えたが、それもできずに結局急いで家に取りに帰ったとのこと。そのあと 子どもに「受験の日はお父さんと行くから」と冷たく言い放たれ、「すっか り信用を失いショックでした。」と肩を落とされていた。

 だれにでも忘れ物はある。もちろん出願日や受験当日に忘れ物は厳禁であ る。しかし万が一忘れたとしても慌ててはいけない。出願日には、願書、訂 正用の印鑑、予備の写真、そして財布。これだけあれば何とかなる。受験料 が振り込みの学校は、その振り込みの証明もお忘れなく。受験当日だって、 「財布さえ持っていればどうにかなる」ぐらいの気持ちでいることが大切。

 受験当日、子どもは平常心ではない。それに加えてお母さんが、忘れ物で 舞い上がっておろおろしては、受かるものも受からない。そんなときこそ、どっしりとかまえて「しっかり頑張ってね」と一声かけてくだ さい。子どもには「大丈夫、大丈夫」と安心感を持たせてくだ さい。それが合格のカギだから。