中学受験にとって、子どもたちが感じる母親の存在感は、良くも悪くも
とても大きい。ことに6年生であれば受験を控えていろいろと敏感にもな
り、その存在感はこれまで以上に大きく、重くのしかかってくると思う。
先日、私の担当するクラスの生徒に作文指導として『私のお母さん』と
いうテーマで書かせてみた。もちろん、作文を通しての文章表現力や構成
力、国語の理解力を伸ばすことが目的だが、受験までの残り少ない直前の
時期に子どもたちの目に映る母親像を知り、保護者会のネタにしようとも
考えたのである。
お母さんの方からの子どもの話は保護者会・個人面談などでもよく耳に
入る。家では、勉強の取りかかりが遅いとか、宿題以外はあまりやってい
ないようだ、とかゲームばかりしているとか、よく寝ているとか……。こ
ちらも「やらないことには合格は難しいですね」などと答えるものだから、
お母さんもよけいにがんばらせようとする。そんな中で子どもたちは、親
の期待を逆にどう受け止めているのか。
ある女の子は「母は中・高・大学と進学して立派な就職をしてほしいと
思っている。親の期待に応えられるかどうかは不安だが、悪い人間になら
なければよい」と書いていた。またある女の子は、中学受験も含めて自分
にやりたいことをやらせてくれることへの感謝と、自分が精一杯やること
が母に対する期待へのお返しになる、と書いていた。 |
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男の子は怒られたことやすぐに「勉強しなさい」と言われることや、期
待に応えられるかどうかの不安についてふれている場合が多い。
期待されているという思い、母親に対する感謝の思い……いつもは面と
向かっていえない気持ちも、作文の中では素直に表現できている。ただ、
「期待に応える」という思いをひとつ取り上げてみても、女の子は母親に
対して時に姉妹のような、友だちのような感情を抱いているようにも思え
るが、男の子にはそういった部分があまり見られない。母と娘、母と息子
の関係にはやはり違いがあるからなのだろう。
だから、特にこの時期には6年生のお母さん、「残りの1か月は、褒め
て煽てて、最後にもうひとがんばりしてもらいましょう。」と言いたい。
「模擬試験の結果や、子どもの性格として短所と感じている部分には少々
目をつぶってあげてください。」とも言いたい。塾という現場から、子ど
もたちの姿を毎年見ていると、子どもは親の期待を十分に感じていると思
う。今、残された期間で親ができることは、励ますことと健康管理だけだ
と思う。
残された時間はわずか。子どもたちにはもちろんのこと、お母さんたちも「がんばれ!」子どもの成長にとって中学受験はまだまだ人生の第一ゲート通過といったところ。そのゲートをもう少しで無事通過できるところなのだから。
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